SSブログ

グーグルという名の欺瞞~秋葉市長投稿サイト [社会時評]

グーグルという名の欺瞞~秋葉市長投稿サイト

 広島市の秋葉忠利市長が今季限りでの引退を表明し、その理由を説明するための会見、インタビューを拒否したうえでグーグル動画サイトに投稿したことは前回のこのブログで触れた。このサイトには動画に関する反応がいくつか寄せられている。それらを読んでみると露骨に市長を擁護したものばかりが並んでいる。これはどういうことか、と思っていたところ、ある友人から「市長への批判を書くと削除される」という情報が流れてきた。本当だろうかと思い、アプローチしてみた。

 「都合のいいコメントだけを一方的に流すのでは、公人としての説明責任を果たしたことにならない。市民の批判には真摯に向き合うべきだ」とするコメントを送ったところ「承認待ちのコメント」のサインが出たものの、掲載はなかった。2回同じ作業を試みたが結果は同じだった。見ての通り、特定の相手を中傷したものでもなく、きわめて穏便な内容である。しかしこのサイトは、批判的だというだけで承認しないのである。

 では、どんなコメントが採用されているのだろうか。

 「広島を見捨てないでください」「広島市民の大多数はアキバジョリティーです」「これからの新しい方法だと思います。言いたいことが、過不足なく、真っ直ぐ伝えられる」「秋葉市長ほど市民の生の声を聞いてくださった市長はいなかった」「次の選挙にも『秋葉忠利』と書かせてもらいます」と、狂信的なものばかりだ。

 念のために言っておくが、秋葉市長は市の内部からも市民からも「裸の王様」と呼ばれていたのである。それほど職員の声も市民の声も聞かなかった人物だ。そのうえでオバマジョリティ―などと市の内外からひんしゅくを買うキャンペーンをやり「オバマジョリティ―音頭」なるものを作って5月のフラワーフェスティバルで披露し、市民の半数が明確に「反対」の意思表示をしているオリンピック招致構想を強引に(それこそ聞く耳も持たず)推し進めてきた。さすがにこれまで秋葉市長を支持してきた人たちでさえも続々と離れていっているというのが実態なのだ。

 このグーグルの動画サイトでは、こうした批判の声はまったく反映されていない。市民の目から見れば、異常と言うほかない。推測するに、グーグルは「既存マスコミに対する大衆の不信」→「偏向がなく、真実を伝える動画サイト」という新旧メディアの構図を作り上げるために、秋葉市長の動画を利用しているのであろう。秋葉自身も、そのことを百も承知でグーグルの戦略に乗っているのではないか。

 広島市のホームページにはオリンピックコーナーがある。ここでは「応援メッセージ」は掲載されるが、批判的なメッセージは載ることがなく、そのことに市民の不満が強い。これはグーグル方式の導入なのだ。これで分かった。秋葉という政治家はこうした言論の封殺、世論操作に何の抵抗感も持たない人物なのだ。もし、この指摘が違うというなら、即刻グーグルの動画を取り下げるべきである。少なくとも普通の政治感覚を持つ人間ならそうするはずだ。そしてグーグルも、いい加減できちんと言論を保証する方向へと転換すべきだ。でないといつまでたっても未熟な情報伝達ツールのままで終わるだろう。

 グーグル_001-2.jpg
 グーグル動画サイトに寄せられたコメント。一番上が承認されなかったコメント


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0