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人生は観覧車か回転木馬のよう~映画「女と男の観覧車」 [映画時評]

人生は観覧車か回転木馬のよう~映画「女と男の観覧車」


 1950年代、ニューヨーク市ブルックリン区のコニーアイランド。名物観覧車が回る海岸沿いの遊園地、とくれば舞台装置は満点だ。繰り広げられるひと夏の女と男の物語。まるでそれは、観覧車か回転木馬を見るようだ。哀愁に満ちた音楽とともにとめどなく繰り返されていく物語。ウディ・アレン監督と実力派女優ケイト・ウィンスレット(「愛を読む人」)のタッグが見事だ。
 ジニー(ケイト・ウィンスレット)は観覧車の見える部屋で遊園地に勤めるハンプティ(ジム・ベルーシ)と暮らしている。ともにバツイチ。そこへ、ハンプティ―の娘キャロライナ(ジュノー・テンプル)が帰ってくる。彼女はギャングと駆け落ちしたが、別れてきたという。平穏だった生活に波風が立ち始める。
 女優だったジニーは、海の監視員をしていた劇作家志望のミッキー(ジャスティン・ティン)と不倫に陥る。ミッキーはキャロライナとも出会い、微妙な関係になっていく。ジニーの心がざわつき始める。そこへ、ギャングの追っ手が迫る…。
 こんな風に書けば、ストーリーは古今東西を問わない男と女のドタバタ喜劇のようだ。しかし、そんな中に人生の哀歓をそこはかとなく醸し出すのは、やはりウディ・アレンの手腕というものだろう。小品だが味わい深い。原題はズバリ「Wonder Wheel」(観覧車)。2017年、アメリカ。



女と男.jpg

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