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やや物足りない天才の描き方~映画「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」 [映画時評]

やや物足りない天才の描き方

~映画「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」

 放蕩と心中を繰り返した作家の太宰治は「マイナスとマイナスを集めてプラスにする」といったが、この映画もそんな趣がある。

 幼少にしてすでに超絶技巧を会得したパガニーニ。しかし、破天荒な生活のゆえに不遇の生活を送る。そんな彼の前に、プロモーションの能力に優れたウルバーニ(ジャレッド・ハリス)が現れる。そうしてイタリアで成功を収めたパガニーニは英国へと乗り込む。

 劇中でも超絶技巧を披露するパガニーニ役は現役のヴァイオリニスト、デイヴィッド・ギャレットが演じる。ギャレットの熱演・怪演とジャレッド・ハリスの曲者ぶりは見ものだが、それ以外には特に心に残る部分はない。そういう意味では、やや底の浅さが気になるところだ。パガニーニは、自らの技巧が他人に真似させるのを恐れて譜面まで厳重に管理したと伝わるが、そんな人間性の奥底まで描けば「ただの女たらし」でない天才パガニーニ像が立ち上がったかも。

 パガニーニ.jpg

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