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観るものをくぎ付けにする映像~映画「ゼログラビティ [映画時評]

観るものをくぎ付けにする映像~映画「ゼログラビティ」


 「ゼログラビティ」は「無重力」のこと。地球から600㌔、時速3万㌔以上で航行する宇宙船が舞台である。船外で作業する宇宙飛行士(ライアン・ストーン=サンドラ・ブロックとマット・コワルスキー=ジョージ・クルーニー)に危機が訪れる。ある国が爆破した宇宙船の残骸が、宇宙ゴミとなって彼らと宇宙船を襲うのだ。ストーンは船体と繋いでいたワイヤーが切れ、漆黒の宇宙に放り出される。その孤独感と恐怖感が、まず観るものを襲う。青く光る地球の美しさと背後の闇の果てしない深さが、漂流するストーンの寂寥感を否が応でもかきたてる。

 ストーリーは単純である。宇宙を漂流する二人は、地球にたどり着くことができるのか。船体は既にボロボロで、乗員たちは息絶えている。酸素も、軌道修正のためのロケット燃料も乏しい。どうすれば生き延びることができるか。

 サンドラ・ブロックの肉体が素晴らしい。考えてみれば彼女ももう50歳前だ。女優としては円熟の域に達しつつある。肉体の強じんさと円熟み。その両方を表現できるちょうどいいころあいといえるだろうか。

 何より、3D映像が威力を発揮している。宇宙ゴミが飛んでくるシーンは思わずのけぞるほどだ。物語やストーリーの魅力でなく、ただ映像をもって観客をくぎ付けにするという映画の原点が、ここにある。

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