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懲りない人たち~自民党総裁選 [社会時評]

懲りない人たち~自民党総裁選


 ほんとに、この人たちって懲りないね。自民党総裁選に立候補した人たちである。なにより、野党に転落した前回の総裁選はみんな尻込みしたくせに、議会第1党=政権党、つまり総裁=首相が見えてきたとたん、われもわれも、というのは現金、を通りこしてあさましい。

 その、あさましさの筆頭は石原信晃幹事長だろう。谷垣禎一総裁に出馬断念させて、ナンバー2が「谷垣路線を引き継ぐ」と出馬する。だったらはじめから谷垣さんでいいではないか。谷垣路線はダメというならまだ分かる話だ。早速12日夜のテレ朝で失言したが、その内容は、要はみんな尊厳死をすれば社会保障費はいくら減る、というもの。本人はテレビで誤解されるかもしれないが、みたいなことを言っていたが、だれも誤解などしない。そのままの意味で受け止めるだけだ。ほかにどんな受け止めようがあるというのか。それに、総裁選に出ると言った時点で幹事長は辞任すべきだろう。総裁選を党員に知らせるはがきに自分のポーズ写真を載せるなんて、身の処し方を知らないとしか言いようがない。

 普通に考えれば、この局面は身を引いて谷垣さんに花を持たせ、結果はどうなろうと次を狙う。そのほうが得策だ、ぐらいは入れ知恵をする人間がいなかったのだろうか。そうしていれば正々堂々と戦えるはずだ。でも、もともと人間が貧相なのだから、そこまで言うこともないか。

 あさましさの2番手は安倍晋三元首相。いくらなんでも、国民をばかにしすぎではないか。わけのわからん病気でやめたことになっているが、その前に安倍政権は官邸自体が機能不全に陥っていた。国民はそのことを忘れちゃいない。安倍政権の退陣は、病気ではなく政権運営のまずさだったことをもう一度確認しなければならない。

 3番目は石破茂・元政調会長。前の二人ほど「恥知らず」ではなさそうだが、「軍事おたく」のほかに、何を持ち合わせているのだろうか。私は寡聞にして知らない。

 後のふたり、町村信孝、林芳正なる人物は論外だろう。まかり間違ってこんなのが首相にでもなれば、外国からは「Who?」と笑われるだけだ。

 そうそう、一番の「懲りない面々」を忘れていた。森喜朗とか古賀誠とかいう「長老」と称する人たち。森なんて、かつてどんな政権を作ったのか。それがどうして総裁選に影響力を持つのか。さっぱりわからん。古賀の「若い人に期待する」なんて、どんな文脈で出て来たのか。国民はだれも分からないではないか。そしてこんな面々が不思議な発言をすることを、批判しないメディアって一体何なのか。

 自民党が政権から転落したのは、「失政」があったからだけではない。時代の中で自民党の存在理由がなくなったためなのだ。それなのに、たまたまの「敵失」に乗じてわが世の春が来ると思っている自民党のばかばかしさ。

 総選挙にでもなれば、国民は野田佳彦か石原(または石破、可能性は低いが安倍)という選択を迫られるのか。日本の政治も落ちるところまで落ちたものだ。

 まだ残暑が厳しいというのになんとも寒々しい光景を見せられた。かつての吉田、岸、佐藤、田中、大平、福田と続いた保守政権にはまだ「厚み」と「味」があったように思う。今の政界は三文芝居で、本当に心が貧しくなる。


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bun

いちいちごもっとも。こういっては何だが、やはり日本の顔としては頭脳明晰容姿端麗を求める。品というコメントが多い中、ステキな首相が誕生して欲しいものだ。ま、誠実ささえあれば何とかなると思うのだが。やはり、組織の平均以上のリーダーは現れない、というのは言い得てるのかも。こうなれば組織の平均を上げるしかない。マスコミの力量を問われている時代なのかもしれない。
by bun (2012-09-15 00:54) 

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