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物語のフレームのうまさ~映画「レッド・ファミリー」 [映画時評]

物語のフレームのうまさ~映画「レッド・ファミリー」

 若い夫婦と祖父、そして娘の仲睦まじい4人家族。しかし、一歩家の中に入れば妻ベク・スンヘ(キム・ユミ)が班長として絶対的な存在になる。4人は韓国内で活動する北の工作員なのだ。それぞれに家族を残し、指令一つで暗殺を実行する。もちろん、4人には何の家族的なつながりもない。「偽装家族」である。そんなとき、隣家の家族が交流を求めてくる。資本主義的腐敗にまみれた人間たちと、当初は否定するが…。
 驚いたのは、映画館の入りだった。上映時間ぎりぎりに滑り込んだが、日曜日とはいえ、ほぼ満員。米国で金正恩をパロディー化した映画が上映中止となって話題になったためか。戦慄のラストが印象深い「嘆きのピアタ」のキム・ギドクがプロデュースした作品だからか。
 作品自体は、うまいところを切り取ったな、という印象はあったが、ラストに向かうシークエンスはさほど意外性もなく、今一つ入りきれなかった、というのが、正直な感想だ。若干コメディータッチで仕上げてあるが、シリアスな部分もあり、中途半端さが気にかかる。もっと徹底的にパロディー化するか、シリアスに仕上げるか、明確にした方がラストで感情移入ができただろう。

 レッド・ファミリー.jpg

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