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奇跡の人質救出を淡々と。でも今さらなぜ?~映画「エンテベ空港の7日間」 [映画時評]

奇跡の人質救出を淡々と。でも今さらなぜ?

~映画「エンテベ空港の7日間」

 

 1976年にあったパリ行きエールフランス機ハイジャック事件とエンテベ空港でのイスラエル軍による奇襲作戦は、いまもよく覚えている。おそらく、歴史上これだけ鮮やかな人質救出作戦はなかったのではないか。それだけに、これまで記憶するだけで3度の映画化がなされた。そのうち1本はイスラエル製作である。

 そのぶん、なぜいまさらという感がぬぐえない。一方で、米国映画界のイスラエル資本が幅を利かせ「イスラエル万歳」の映画になるのではと危惧したが、それは杞憂だった。テロリスト、イスラエル政府、エンテベ空港のあるウガンダのアミン大統領と、比較的客観的にバランスよく描き出していたように思う。

 事件は、パレスチナ解放人民戦線(PFLP)の分派と、西ドイツ(当時)の過激派計4人によって起こされた。人質は乗員乗客合わせて160人。交渉過程でこのうちイスラエル人を除いて数次にわたって解放されたが、なお100人以上が拘束されていた。事件発生から7日後、イスラエル軍の極秘部隊が突入、人質のうち4人は死亡したものの残りの全員が救出された。

 西ドイツの過激派テロリスト、ブリギッテ・クールマンにロザムンド・パイク(ホントよく出るな)。事件の7日間を淡々と追った、という印象。それだけに、なんで今さらこんな映画が必要なのか、という疑問は最後までぬぐえなかった。イスラエル軍の側で唯一の死者は奇襲部隊の指揮をとったネタニアフ中佐。彼の弟が後にイスラエル首相になったという。これが唯一の興味深い情報だった。

 2018年、英米合作。 


エンテベ空港7日間.jpg

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