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この国はどこまで堕ちるのか~社会時評 [社会時評]

この国はどこまで堕ちるのか~社会時評

 

A)サッカーW杯は、フランスの優勝で幕を閉じた。

B)クロアチアが優勝しないかとひそかに願っていたが…。

A)それはなぜ?

B)ユーゴから独立し、長い内戦の時代をくぐり抜けてきた。第2次大戦下ではナチスの傀儡政権ができたり、セルビア人との不幸な紛争もあったりしたが、苦難を乗り越えてきた国だ。ここは優勝してほしかった。

C)世界にはかつての苦しい時代を乗り切って国際社会に平和をアピールする国もあれば、そうでない国もある…。

A)日本のことだね。

C)そうだ。この国はいったいどこまで堕ちるのだろうか。最近の政治情勢を見るとそう思う。

 

豪雨警戒横目に宴会騒ぎ

B)7月5日夜、「赤坂自民亭」なる飲み会が衆院議員宿舎で開かれ、岸田文雄政調会長ら自民党幹部のほか安倍晋三首相も出席した。西村康稔官房副長官がその写真をツイッターに投稿してはしゃいでいた。その日の午後には気象庁が異例の会見を開き、豪雨被害の警戒を呼び掛けていたので、緊張感のなさに批判が集中した。

C)既に5日時点で京都の鴨川は氾濫寸前だったし、中国地方でも豪雨被害が出始めていた。政府・自民と庶民の感覚はあまりにかけ離れている。

A)飲み会は偶然のタイミングで開かれたもので、批判は感情論だとする向きもあるが、そうは思えない。やはり、国会議員の感覚が庶民とずれている。

B)石破茂元自民幹事長が防災省の設置を訴えているが、検討に値する。世界中で日本ほどあらゆる災害に見舞われている国も珍しい。一方で、今回の場合もそうだが、事前の避難措置が気象庁に任せきりの感がある。国・自治体・自衛隊・消防・警察が早くから連携する方法を模索したほうがいいように思う。

 

死刑執行を命令した人たちも

A)6日にはオウム真理教の松本智津夫ら7人の死刑も執行された。刑執行の命令者である上川陽子法相も飲み会に出席していた。

C)7人の死刑執行を命令したのは安倍首相と上川法相のラインだろうが、彼らが前日の飲み会に出席していたというのは、感覚的に信じられない。

B)極悪非道の狂信者をこの世から消したということでなく、オウム事件とは何だったか、国家の名において7人の命を奪うとはどういうことか、そうした重みを自らの肩に感じているというふうにはみえない。オウム事件はたまたま起きたのではなく、社会の病理というものがあったように思う。1995年は阪神淡路大震災があった年でもあり、同時に東西冷戦が終わり、バブルがはじけた直後でもあった。「失われた20年」の起点とする説もある。戦後の転換期として複雑な社会の断層を抱えた年でもあった。そうしたことを踏まえながら、刑を執行することの重みを感じるべきだった。ハンコひとつでおわり、という話ではない。

A)今、世界の先進国で死刑制度が実際に運用されているのは日本と米国ぐらいだ。特に、日本では絞首という手段がいまだに用いられている。このことにも批判が強い。

 

倉敷・真備町の避難所では

A)11日には、町内の3分の2が洪水被害に見舞われた倉敷市真備町の避難所を安倍首相が訪れた。訪問前夜に突然スポットクーラー18台が現地に送られ、うち12台が首相視察の避難所に設置されたという。こうして首相は冷房のきいた避難所で被災者に形式的な慰めの言葉をかけた。そのシーンをメディアが流した。

B)首相が視察しなかった避難所は割を食った可能性がある。庶民の感覚を知らぬ首相と権力者の意向を忖度する周辺の官僚たち、彼らの注文通りの「絵」を流すメディアの構図はここでも健在だ。

 

安倍三選は既定事実?

C)これだけの豪雨被害がありながら国会で審議しているのはカジノ法案と選挙制度改革。

B)参院の選挙制度改革はひどい。選挙区格差解消ができないから比例区の定員を増やし、そこで合区で落ちた議員を救済しようという。救済される議員を決めるのは有権者でなく、自民党だ。

A)カジノ法案も、まったく必然性がない。

C〉大洲市のダム放流で住民が水死した件、国交省が第三者委員会による調査を表明したが、まずは国会で集中審議をすべきではないのか。先ほども話が出たが、ほかの事例も含めて災害時の国と自治体の連携を見直す必要がありそうだ。

B)自民党からは、民主党政権時代の「コンクリートから人へ」というスローガンが間違っていたとの批判が出ているそうだ。今回の豪雨被害の核心はそこではない。地球温暖化によって異常気象が深刻化している点にある。

C)かつて、治山治水対策は「100年に一度の異常気象にも耐える」ということを合言葉にしていた。ところが、ここ数年を見ても、100年に一度のはずの異常気象がほぼ毎年起きている。そうなると、治山治水対策のハードルを上げないといけない。一方で、日本で毎年起きているこの不都合な真実のデータをできるだけ早く国際社会に突き付けること。とても政権与党は、飲み会などやっている暇はないはずだ。

B)新しい治山治水対策を全国的に展開する。そうすれば、カジノなど作らなくても成長戦略はできる。

 

緩み切った政府与党、その背景は

A)でも、今の緩み切った安倍政権ではもう無理だろう。それでも今秋に三選となれば、庶民は絶望するしかない。

B)7月16日付朝日に、世論調査結果が載っている。カジノ法案は「必要ない」が76%、参院選改革案は「反対」が56%。しかし、内閣支持率は38%。不支持が43%あるにしても、支持率が異常に高い。個別の政策への世論の「反対」をみると、とっくに倒れていてもおかしくない政権だ。

C)内閣支持率の高さは、結局誰がやっても…という政治的アパシー、言い換えれば大衆的ニヒリズムの結果だ。それにやはり、小選挙区制が大きい。野党がバラバラではだめで、ここは歯を食いしばって大同団結し、いったんは離れた無党派層を回帰させるしかない。そうしないといつまでも自民党の腐敗政権が続く。

A)あるいは小選挙区制を変えるかだが、これは自民党が乗るわけもなく、可能性はゼロに近い。

B)結局、日本の政治の堕落はいつまで続く…。



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