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動乱の時代が始まった~社会時評 [社会時評]

動乱の時代が始まった~社会時評

 

都民が常識的な判断

A)すでに報じられているように、東京都議選は自民が惨敗。小池百合子知事を先頭に立てた都民ファーストの会が第一党になった。

B)自民の惨敗は予想通り。これまで、安倍晋三をリーダーとする自民党がなぜこれほど強気でいられるのか理解できなかった。東京都民が常識的な判断をしたといえる。

C)しかし、それに代わって小池新党というのも…。

A)変わり映えしないということか。

C)安倍自民がここまで嫌われたのは、上から目線の政治、権力の私物化、疑惑隠ぺい体質、これらが原因だった。小池知事が喝采を得たのは、こうした自民の現状にアンチテーゼを突きつけたから。都民とともに歩み、政策決定過程を透明化する、こうしたことを訴えたからだ。しかし、政策的に自民に対抗するものを持っていたわけではない。

B)自民の敵失が小池新党に風を吹かせた、といういい方もできる。都議選に入ってすさまじいほど自民のマイナス面が出た。2回生議員の常軌を逸したパワハラ暴言、稲田朋美防衛相の「防衛省、自衛隊、防衛相として特定候補をお願い」発言、下村博文幹事長代行の加計学園献金疑惑…。その前に森友、加計疑惑があり、菅義偉官房長官の強権的な対応も随分、国民の反感を買った。

 

批判を受け止める能力がない首相

A)でも、最大の問題は安倍首相自身だ。今あげたすべての問題が安倍首相自身から出てきているうえ、国会ではろくに質問に答えず野党批判ばかり繰り返した。そういうところを、国民は見ている。

B)都議選最終日、秋葉原での街頭演説もひどかった。「安倍やめろ」コールに対して「こんな人たちに負けるわけにいかない」と絶叫していた。後ろでは石原伸晃が「そうだ」とたきつけていた。

C)かつて、国会で追及された首相が「そんな下品な言葉を使うから、あなた方の支持率は低いままだ」と応じていた。そういう体質が安倍という政治家にはある。質問にまともに答えず、問題をすり替えて応じる。聞く耳を持たない。背景には、同じ国民という意識ではなく、批判するものは敵、という意識がある。これを直さない限り、いくら反省するといっても国民は信用しない。

B)安倍首相が都議選結果を受けていっているのは、「国民から叱咤された」と、つまり叱られたと。しかし、国民感情はそうではない。「やめろ」といっている。そのことを正しく受け止める姿勢、能力が今の安倍首相にはない。

C)「反省する」というなら、まず稲田防衛相を罷免し、臨時国会を召集する。そこまでしないと国民は納得しない。
B)誰が見ても適格性を欠く人間を防衛相に据えて、批判があるにもかかわらず代えようとしない、これもまた権力の私物化だ。

A)菅官房長官は安倍首相の「こんな人たち」発言への感想を聞かれ「何の問題もない」と会見で答えていた。もうつける薬がない。

 

「風」を待つ小池知事

B)こうした自民の惨状を見て、小池都知事は内心ほくそ笑んでいるのではないか。

C)このまま自民が低空飛行を続ければ、シナリオはわからないが小池リリーフの局面があると…。

A)小池さんは都知事選に出る時、自ら崖を飛び降りて風を吹かせる、といったが、今度は動かないだろう。自ら風を吹かすのではなく、風が吹くのを待っている。

B)小池さんが政治の世界に入ったのは細川護熙の日本新党ブームの時だった。あの時の記憶は強烈にあるはずだ。非自民連合で連立内閣を作るのか、それとも自民に担がれるのか。必ずしも最大勢力のトップにいなくても、政治の頂点につくことはできる。細川首相もそうだし、自社さ政権の村山富市首相もそうだった。

C)現在の衆院議員の任期が切れる2018年末までに動きがあるだろう。この動乱の中で、安倍首相が総裁を3期9年務めるとか、改憲のための国民投票を行うとかはとても考えられない。今の情勢なら改憲の国民投票をすれば否決される。そうなれば内閣は即総辞職だ。

A)安倍首相はどこかの時点で立ち往生するとみるのが妥当ではないか。そうなれば、先ほどの小池リリーフのシナリオが現実味を帯びる。

B)あるいは、麻生太郎あたりが安倍を引き継いだが低空飛行のままだった場合、2018年の総選挙で小池新党が一定の票を集めて「細川内閣」の再現になる。

A)いずれにしても、安倍政権のままだと日本中に閉塞感が充満する。

C)むしろ、安倍政権がこれほど長期に続いたことが驚きだ。しかし、小池さんも究極のポピュリスト。彼女が安倍の代わりになったからといって、日本に明るい未来が開けるとも思えない。せいぜい目先が変わるぐらいのことだ。原点の話に戻れば、なぜ日本では保守を含めたリベラル政党が育たないのか。そこに行きつく。

B)民進も、これからの動乱の中で埋没、消滅するかもしれない。かつての社会党のように。都議選での消長はそのことを予感させる。


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