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真実は儚くて~映画「華麗なるギャツビー」 [映画時評]

真実は儚くて~映画「華麗なるギャツビー」


 1920年代。第一次大戦直後で、日本で言えば戦争特需で経済が躍進し、大正デモクラシー華やかな時代だ。禁酒法下のアメリカもまた、好景気に沸く。こうした時代を背景に、ロストジェネレーション世代の一人とされたスコット・フィッツジェラルドの原作を映画化した。1974年にはロバート・レッドフォード主演、F・コッポラ脚本で映画化されたらしいが、見ていない。単なる印象だが、レッドフォードはやや上品さが勝っており、ピンクのスーツを着たデカプリオの方がバブリーで謎めいた感じはある。

 評価はいろいろあろうが、夜な夜な開かれる夜会のシーンは圧巻である。映像的にはとても華やかでシャープである。それだけで観に行く価値はある。そしてある夜、そこに謎の富豪ギャツビーのかつての恋人デイジー(キャリー・マリガン)が現れる。彼女はある富豪の妻におさまっている。

 ギャツビーは極貧の生活からのし上がった男である。当然のことながら危ない橋もいくつか渡り、闇社会ともつながる。そして得た虚栄の世界。それがうたかたの虚飾であればある程、彼は一つの真実を求める。それが、彼女への愛である。

 一度は、彼女との愛が成就するかに見えたその瞬間、彼は奈落へと突き落とされる。死を前にした彼の眼には、対岸にある彼女が住む豪邸の灯り。

 栄光と悲惨。虚栄と奈落。ウソと真実。儚くて移り気で美しいデイジーを演じたキャリー・マリガンが、とてもいい。

 ギャツビー.jpg



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