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なかなかに辛口~映画「ゼロ・ダーク・サーティ」 [映画時評]

なかなかに辛口~映画「ゼロ・ダーク・サーティ」


 
イラン人質事件を題材に米軍の救出作戦を描いた「アルゴ」と、米軍によるビンラディン殺害を題材にした「ゼロ・ダーク・サーティ」。米アカデミー賞にどれほどの価値があるのかよく知らないが、2月24日(現地時間)の授賞式は、この2作品が明暗を分けた。前作「ハート・ロッカー」で6部門をとったキャスリン・ビグローは今回、音響編集賞だけ。ベン・アフレック監督の「アルゴ」は作品賞など3部門をとった。

 アカデミー賞をともかくとして作品の出来をみると「アルゴ」は全くの娯楽作品。単純明快で、万人向けの甘口である。一方の「ゼロ…」は、リアルに徹してなかなかに「辛い」。冒頭、「911」被害者の最後の交信が流れる。これには、遺族から抗議があったそうだ。また、CIAによる拷問シーンも、米国内の保守派からは反発があるらしい。公開予定日が当初、米大統領選前だったこともあり(結局、選挙後になったらしい)、オバマへの追い風と批判する向きもあったようだ。だが、映画を見る限り、その批判は当たっていないだろう。

 細かい筋書きは紹介を省こう。というより、ビンラディン殺害計画。これが全てであり、CIAパキスタン支局の若い女性分析官が、周囲の慎重論を押し切って攻撃を決断する…というストーリーが絡んで、ドラマが出来上がっている。

 ビンラディンがひそむ「要塞」に米兵を運んだのはブラックホークという戦闘ヘリ。ソマリアで地上ゲリラの攻撃を受けて撃墜された過去を持つ。映画でも触れているが、どちらかといえば「鈍重」なヘリである。このビンラディン攻撃でも不時着して大破するというへまをしている。ただ、このヘリはステルス性能を持つ。しかし、なんで今話題のオスプレイを使わなかったのかなあ。オスプレイこそ、こんな時に使う輸送機だろうに。

 話がそれてしまった。しかし、パキスタンの事前了解なしに米軍が民家に突入(しかも100%の確証なしに)するなんて、いいのか。同じことが日本国内であったら…と想像してみればいい。

 ゼロ・ダーク.jpg

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